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人質解放、そしてこれから

拘束後の情報がまったく伝わらなかった日本人2人の人質、
解放されたとのことで・・・なによりですね。
人命も失われず、日本政府としても最悪の事態は免れた。
その二つの点において、よかったね、と素直に思います。

というわけで。
いささか食傷気味ではありますが。
今回のイラク人質事件について三度目の記事を書きます。
コレ書いたら、もうこの件については書かないだろうなぁ・・・
そのぶん、今回はマジですよ。大マジです。
何と言われようと私はこう思うんだ、と言っちゃいますよ。

      ***

先に解放された人質三人の映像を見るにつけ、
「ああ・・・日本はこんなヤツら(言葉悪くてすいません。でもそう思った)の
ために、あれだけ大騒ぎになったのか・・・」
とガックリ来たのは私だけじゃないはずだ。
そりゃ、いきなりアメ玉だかチョコレートだかもぐもぐやってる高遠さんの姿を
見て、おいおい、とは思ったけど。
それより何より呆れてしまったのは、頭から布袋みたいなのをかぶせられて、
ソファに座らされて、「あなた方は助かったんですよ」と言われた三人の反応。
イラク人通訳の人が、聖職者協会の人が交渉してくれたから
(交渉という言葉を使ったかどうか忘れたけど、とにかくそんな言葉だった)
助かったんですよ、よかったですね、と言ったら。
フリーカメラマン郡山氏は、こう言った。
「俺たちだって(犯人側に)説明してましたよ!」

・・・逆ギレかい。

どこをどうやったらそんな言葉が出てくるんだ、と唖然とした。
「ここどこ?」を連発する高遠さんも、「ホテルの一室とかじゃないの?」なんて
言ってる今井くんも。
三人の態度のどこを見ても、「助かってよかった」みたいな安堵がない。
さらに、だ。
イラク人通訳が「よかったですね」を連発しても、にこりともしない。
それであの仏頂面でアメ玉食べるわ写真いきなり撮り出すわ・・・
なんなんだ。ほんと、なんなんだ。

その後病院に入るとき、高遠さんは泣きながら入ったらしいけど。

でも三人の本質って、あの解放直後の態度に表れているような気がする。

「自己責任」と「自業自得」の言葉が彼らに対して向けられていて、
それについての議論もよく見かける。
そして、彼らを支持する(中には英雄だとか言う人もいるようだけど)人のほとんどは、
それぞれの言葉の意味を理解していないように思う。
手元にある辞書で調べると、残念ながら「自己責任」についての意味はなかったけど、
「自業自得」については、こう載っていた。

「自分のした悪い行為への報いを自分の身に受けること」

彼らのした「悪いこと」というのを、政府の警告(13回も退避勧告出してたんだって)を
無視してイラクに行った、ということだとすれば、間違いではないのかもしれないけど、
そもそも彼らはボランティアという精神の元にあの国に行ったのだから、
まあ、悪いこととして括るにはちょっと違う気がする。
(ただし、彼らのボランティアを全面的に正しいとは言わない)

前にも同じことを書いたので繰り返しになってしまうけど、
彼らに対して向けられるべき言葉は「自己責任」のほうが正しい。
たとえどんなに崇高な理念があってイラクに行ったのであっても、
そこは間違いなく危険な場所なのだから、何が起きるかわからないのだ。
現に去年の11月29日には、外務省の大使と一等書記官が、
イラク中部ティクリートで殺害されている。
どう考えたって危ない。
彼らの家族も「行かないように説得した」という。
にもかかわらず、彼らは行った。
そこに、「自分たちはこれから危険な土地に行くんだ」という自覚はあったのか。

これは私の個人的というか、感覚論なんだけど、
ボランティアってなんなんだろうと思ってしまった。

「いいことをしに行った彼らの行動は正しい」
・・・果たしてその程度で語られていいのか、と私は思う。

ある掲示板で、「彼らの行動に感動しました。私もイラクの人たちを助けたい。
それにはお金です。みんなで募金しましょう」
ってな書き込みを見つけて、もー驚きとか呆れとかそんなものを通り越して、
なんか胃のあたりがムカムカしたことがある。
まあその掲示板は荒れっぷりがすごいことで有名な某Y!サイトなので、
もしかしたらわざとそんなおバカな書き込みをしたのかもしれないけど、
そういう考え方をする人がいないとも限らない、と気づいてしまった。
もっと短絡的なのになると、「冬山登山は誰も助からないけど、
ボランティアは助かる人がいるんです!」って言ってる人がいた。
結局、ボランティアに対する認識がその程度だから、
「いいことをしに行った彼らの行動は正しい」って結論になる。

ボランティアとは奉仕の精神なんじゃないのか。
彼らを見ていると、奉仕じゃなくて「施し」をしているんじゃないかと思う。

奉仕という言葉を辞書で引くと。
「国家・社会・他人のために力を尽くすこと」とある。
これがあの三人に当てはまるのかどうか・・・
ほんと、感覚論だけど、当てはまらないような気がする。
ちなみに「施し」っていうのは、「めぐみあたえること」となっていて、
しかもあたえるものは「物」なんだそうだ。
精神的な支えじゃなくて、物を与えること、っていうあたり、なるほどな、って思う。

だからこそ彼らは、カメラが回っているにもかかわらず、
解放されたことについて「よかった」とさえ言わないどころか、
逆ギレしてみたりおやつ食べてみたり、となるんじゃないだろうか。
ボランティア精神にあふれた人が、自分を助けるために動いてくれた相手に対して、
お礼の言葉ひとつでないはずがないから。

それから、彼らの家族。
家族はずいぶんと批判を受けたみたいで、途中からいきなり態度が変わった。
だけどハッキリ言って態度が変わっても、本質までは変わらないと思う。
というか、どうして批判されたのか、どのあたりまでわかっているのか疑問。

なぜって。

あの三人が解放されたとき、あとから拘束された2人の日本人は、
まだ解放されていなかったのだ。
にもかかわらずあの喜びよう。
その上、結局最後まで出なかった、政府に対する感謝の言葉。
川口外務大臣がたまたまTVに映ってるのを見てびっくりしたんだけど、
後頭部がもう、寝癖だかなんだかわかんないけどぐしゃぐしゃだった。
どう見ても疲れてる。
にもかかわらず。
政府批判をしなくなっただけで、感謝の言葉は最後まで出ない。
「全世界の人たちにお礼を言いたい」なんてこと言ってたけど、
その前に、政府に対してなんか言えよ、と思ったのは私だけじゃないはずだ。

果たしてあの三人が、どのような態度で帰国して、会見に臨むのか。

これからまだしばらくは、考えさせられる日々は続きそうだ。

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