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自己責任の時代

「佐賀銀行が危ない。もうすぐ破綻する。
預金者は早急に引き出すことを勧める」

そんなデマメールが流れたことで、
佐賀銀行から預金が大量に流出。
容疑者不詳のまま告訴していた事件で、
容疑者が逮捕されました。
犯人は20代の女性。
「悪意はなかった」と言っているそうですが・・・

銀行に勤める私としては、腹立たしいことこの上なし。
佐賀銀行にまったく同情してしまうのです。

大手銀行がつぎつぎに破綻。
ペイオフが発動し、銀行に預けておけば安心、
という時代はもはや遠い過去となりました。

とはいえ。
ペイオフというものがいったいどんな仕組みなのか、
一般の人でしっかりと理解している人は、
まずいないといっていいのではないでしょうか。

「銀行がつぶれたら自分のお金が戻ってこない」

メディアではこの部分を強調していますが、
実はすべての人がそうだというわけではないのです。
本当に戻ってこない場合というのは、

「どうにも救いようのない状態で破綻したので、
どこの銀行も受け継いでくれないし
決算内容もひどいもんなので全員の預金が確保できない
ここはひとつ、1千万円以上持ってる人には、
ちょっとだけ損をしてもらうしかないな」

ってことなので。
よっぽどひどい銀行でなければ、
お金が戻ってこないなんてことはないのですよ。
1千万円以上預金していれば、可能性はあるけど、
それでも全額パアなんてことはありません。
最低でも1千万円とその利息分は保護します、って
ことになってるんだし。

だけどたいていの人は、そういう理屈っぽいことよりも、
「お金が戻ってこないかも!」
っていう不安面だけを過剰に察知する。
しかもこういうご時世、年金制度も悪化の一方、
会社も不景気で収入は減る一方、
下手すりゃリストラの魔の手につかまるかも・・・
なんて日には、過剰になっても仕方ない。

そこにですよ。
「◯×銀行がヤバいんだって!」
なんて噂が立とうものなら、もう、誰がそれを
止められるでしょう。
今回のデマメールは、まさにそんな一般の人々の
不安感をあおったものだったのです。
誰だってお金は大切です。
「減らしてなるものか!」ってATMに並ぶ心境も、
もちろんよくわかります。

でもねぇ。
そういう「噂」に左右される前に、
預金者に求められているのは「自己判断」なのです。
もちろん、噂に左右されて下す判断は別ですよ。

ディスクロージャー誌といって、銀行の決算内容を
冊子にしたものを見て、経営状態を知る。
そこまではちょっと、ということであれば、
ネットなり、新聞で、銀行の株価を見る。
たったそれだけでも、自分の取引銀行が、
どれぐらいの評価を受けているのか、というのは、
だいたいわかってくるものです。

昔のような銀行神話が崩れ去って久しいにもかかわらず、
預金者側にはいまだ、「自己責任」という観念が
育っていないように思うのです。
もちろん、今までの時代を考えれば、
仕方ないとも思いますが。

本当に自分の財産を守ろうとするのであれば、
自分の目で見たり、自分自身で調べた(得た)情報に基づいて
行動することが大前提です。
それができていたら、佐賀銀行のデマメール事件は、
そこまで大事件にならずに終わっていたでしょうから。

さて話は20代女性の話。
一部ニュースでは、この女性も知人から
「佐賀銀行がつぶれるらしい」という話を聞いて、
それで自分の携帯電話からメールした、とありましたが・・・

いったいどこから発生したデマなのか。

考えたら、かなり恐ろしい話です。
銀行員として、寒気がします・・・

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コメント

改めて、勉強になりました。
まあとりあえず私めは、
そのペイオフとやらを気にするぐらいまで、
稼げるよう、頑張る所存です。はい。

投稿: DaisuKe | 2004.02.19 00:47

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